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人手不足企業の​アルバイト採用コンサル​

 当事務所ではすべての顧問契約に「人事労務相談」が付帯しており、その一環としてアルバイト採用コンサルを行っています。私は学習塾の人事時代に20教室分のアルバイト採用・新卒採用・中途採用を一手に担当していました。200名以上のアルバイト採用を担当した経験があります。

 私が勤めていた個別指導塾は先生1 対 生徒2という指導スタイルだったのですが、このスタイルには大きな問題がありました。生徒が2名いれば先生が絶対に1名必要になるため、大勢の先生を確保する必要があったのです。しかし近くに大学がなかったため、採用には苦労しました。今はほとんどの業界で人手不足ですが、塾では大学生か大卒者しか採用できないため、人員を確保するのが特に厳しい業界だと思います。そのような状況で、私はいろいろと工夫を凝らすことで人手不足を解決していきました。

 一口に「採用」と言いますが、アルバイトを採用するためにはいくつかの段階があります。ここでは、❶募集→❷初期対応→❸面接→❹研修の4段階において何をすれば良いのかをご紹介します。

アルバイト採用コンサル

​こんなお悩みのある社長さん、人事担当者さんに役立つ記事です

​・慢性的な人手不足で困っている

・アルバイトの応募がこない

・採用までいたらない

・定着しない

​アルバイト採用コンサルのポイント❶「募集」

❶求人の費用対効果を見える化しましょう

 どの媒体にどのくらいの費用をかけてどのくらい応募が来ているのかを分析しましょう。何か対策をするにしても、まずは現状をしっかり分析できていないと的外れな対策になってしまうからです。そして、媒体ごとの1求人あたりの費用を出します。以下は私が作っていたエクセル管理表です。このように管理することで、どの店舗で応募が少ないのか、どの店舗が定着率が悪いのかなどが分かります。

アルバイト採用コンサル

​実際に私が作成したアルバイト応募の統計表です。

アルバイト採用コンサル

​媒体別の応募者の統計です。効果的な媒体が分かります。​

アルバイト採用コンサル

​拠点別の応募者の統計です。どの拠点が人手不足なのかが分かります。​

​❷いろいろな媒体に広く浅く求人を出しましょう。

 昔はアルバイトの求人手段というと新聞折込チラシが一般的でしたが、最近はインターネット上に様々な媒体が掲載されています。メジャーな求人媒体を挙げますと、タウンワーク、マイナビバイト、求人ボックス、indeed、engageなどがあります。これだけ媒体があるとどれを選べば良いか分からなくなってしまうかもしれませんが、CMでよく見る媒体だけ出しておけば大丈夫です。求職者はメジャーな媒体を選ぶ傾向が強いからです。

 それぞれの媒体でいろいろなプランがあります。最高級のプランだと1回掲載で10万円ぐらいかかるものもあります。一方、「1応募につき5,000円」というような成果報酬型のプランもあります。「1人だけすぐに採用したい」という場合には1媒体に絞って求人を出すのもよいと思います。その場合は、その時に最も有名な媒体に出すと良いでしょう。

 一方、「複数店舗を運営している会社で常に人手不足に陥っている」というケースでは、メジャーな媒体で安いプランを使って、広く浅く求人を出すことをお勧めします。1つの媒体に絞ってしまうと​、他の媒体で探している求職者に出会う確率が完全にゼロになってしまうからです。たしかに、安いプランだとインターネットでの掲載順位は下がってしまうのですが、ある業界で仕事を探している人は通常2〜3社を比較して選ぶので、御社のこともきっとチェックしていると思います。

❸アルバイトの紹介制度を作りましょう

 人手不足解消方法として侮れないのが「紹介」です。やはり人は似たもの同士で集まるので、あなたの会社で働いているアルバイトの友達も、あなたの会社に合っているかもしれません。その際にただ「紹介してください」とお願いするだけでなく、「紹介カード」や仕事内容が分かる簡単なパンフレットなどのツールを用意しておくと良いでしょう。また、紹介してくれた人には「紹介謝礼ボーナス」を支給し、新しく入社してくれた人には「入社祝い金」を支給することも絶対に必要です。何かインセンティブがないと人は動かないからです。最低でも5,000円以上は出さないと従業員は真剣に動いてくれないでしょう。ちょっと痛い支出ですが、求人広告にも同じぐらい費用を使っているので、費用対効果は悪くありません。

❹大学に求人票を掲載、大学近くのアパートにポスティング

 これも意外と侮れないのが大学のアルバイト求人票です。大学の掲示板に掲載してもらうことができます。大学のホームページからフォーマットをダウンロードしても良いのですが、それだとあまり目立ちません。大学に問い合わせて可能であれば、自社独自のカラーチラシを貼らせてもらった方が効果的です。また、大学近くのアパートに求人のチラシをポスティングすることも良い方法です。どちらの場合も「このチラシを見て入社した方は入社祝い金○○○○円」のような特典をつけると良いでしょう。私の店舗ではポスティングを行った結果3名の大学生を採用することができ、みんな卒業まで働いてくれました。

アルバイト採用コンサル

​実際に私が作成した大学掲示用のアルバイト求人票です。このくらい目立たないと反響はありません。

アルバイト採用コンサル

​母校のサークルとコラボしてセミナーを開催したときの宣伝バナーです。​

❺大学のサークルとコラボ

 もしあなたが職場近くの大学のOBOGであるなら、大学のサークルとコラボすることでアルバイト採用につながるかもしれません。私は学習塾人事時代に母校のイベントサークルとコラボして、就活セミナーを開催してもらったことがありました。そのセミナーの参加者が塾のアルバイトに興味を持ち、5名入社してくれました。セミナーに参加するほどですから、みんな意識が高くとても優秀な学生たちでした。アルバイトリーダーとして大学卒業まで大活躍してくれました。

​アルバイト採用コンサルのポイント❷「初期対応」

アルバイト採用コンサル

​ さて、いろいろ工夫してアルバイトの応募が来ました。しかし、ここで安心してはいけません。応募してきた人がすべて入社してくれるとは限らないからです。対応を誤ると、入社辞退やバックれにつながってしまいます。ここではアルバイト応募があった時の初期対応について考えます。

❶すぐに電話をしましょう

 インターネット型の媒体の場合、ほとんどが応募フォームから問い合わせがきます。問い合わせが来たら、すぐに電話をしましょう。求職者から応募が来たということは、その瞬間は電話に出られるということです。半日も1日も時間を空けてはいけません。応募をしたその瞬間が求職者にとって最も熱が高い時です。その時を逃さないようにしましょう。通常、求職者は1〜3社は候補を考えています。すぐに対応しなければ、2社目、3社目に流れてしまうでしょう。

 さらに、電話は0次面接のようなものです。電話をしたときの相手の応答から採用できそうかどうかをある程度判断できます。長電話をする必要はありませんし、長電話は応募者にも迷惑ですが、短い会話からでも十分に判断できます。「あいさつはしっかりできたか?質問への答え方はしっかりしていたか?社会人としてふさわしい言葉遣いができていたか?」などの、働く上で基本的な項目だけ判断できれば十分です。しかし、0次面接といっても採用担当者は高圧的な態度をしてはいけません。「応募をしてくださってありがとうございます!」「とても嬉しいです!」など、応募者へ感謝を伝えたり褒めたりすることは絶対に必要です。自社も選ばれる側であることを忘れてはいけません。

❷すぐに面接日程を組みましょう

応募者への電話の着地点は、面接日程を組むことです。人手不足なのに「まずは履歴書を送ってください」などと悠長なことを言っていてはいけません。面接日程は最短で組むようにしましょう。このときに、面接時の持ち物や服装についてお伝えするのを忘れないようにしましょう(履歴書持参、服装は私服OKなど)。採用担当者にとって自分の職場の雰囲気が分かるのは当たり前ですが、応募者には当たり前ではありません。

​❸電話をできないとき、電話に出ない時はメールをしましょう

求職者が電話に出なかった時にはすぐにメールを送りましょう。こういう時のためにテンプレートを用意しておくと良いでしょう。

​アルバイト採用コンサルのポイント❸「面接」​

​ 無事に面接まで漕ぎ着けました。応募者を採用できるかどうか、ここが最も重要です。

「面接=会社側が応募者を見極める場所、落とす場所」というイメージを持っている人事担当者もいるかもしれませんが、人手不足企業においてこのような考え方は御法度です。「面接=マッチングの場所」あるいは「面接=応募者に選んでもらう場所」と考えましょう。卑屈になる必要はありませんが、尊大な態度を取ってはいけません。お互いが選ぶ立場・選ばれる立場なのです。

 また、人手不足企業においては採用基準を厳しくしすぎないことも必要です。即戦力の人など滅多に来ません。未経験だとしても、人柄・人格が問題なければ育てていくのです。スキルは学ぶことができますが、人格はなかなか変えることはできません。よって、面接ではスキルや能力よりも人格を重視して、一緒に働けそうか、チームの一員になれそうか、仕事を遂行する気持ちがありそうか、などを判断基準とするとよいでしょう。

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❶口説き落とす面接をしましょう

 面接の目的は、ただ採用するだけでなく「ここで働きたい!」と応募者に思ってもらうことです。面接時の印象がいいほど、その後も長く働いてくれます。そのためには、応募者に気持ちよくなってもらう必要があります。面接では、履歴書をもとに応募者が今までどんなことを頑張ってきたかを聞き出し、たくさん褒めましょう。例えばこんなポイントを褒められます。高校合格、大学合格、何かの資格を取った、学生時代の部活の経験、他のアルバイト経験、など。

❷すぐに採用を伝えましょう

 よほど問題なければ、すぐに採用を伝えましょう。「結果は後日お伝えします」などと言っていては、他社に取られてしまいますし、応募者の熱も冷めてしまいます。採用を伝える時も「採用します」というような事務的で上から目線の対応をしないようにしましょう。「○○さんのこういうところがとても素晴らしいと思いました。きっと弊社で活躍できると思います。一緒に働いていただけますか?」という感じで、こちらの熱意が伝わると良いと思います。

❸すぐに研修日程を組みましょう

 採用を伝えて「じゃあ詳しいことは後ほど…」などとモタモタ対応せず、すぐに研修日程を組みましょう。

❹他の従業員に紹介しましょう​

 応募者にとって不安なことの一つが「他の従業員と仲良くやっていけるかな」ということ。その不安を早めに解消してあげましょう。そのときに出勤している他の従業員に引き合わせます。「こちらは○○さん、あとは2人で話してね。」などと言っても盛り上がりません。採用担当者が間に立って、先輩と新人の橋渡しをしてあげましょう。「先輩の○○さんも〜に住んでるんですよ。」「新人の○○さんは〜大学の学生さんなんですよ。」など、公開しても問題ない範囲でパーソナルな情報を共有しましょう。共通点があるとなお良いです。

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​入社時に提出してもらう書類の案内。見本の画像つきだと分かりやすいです。​

❺入社時書類の配布と回収をスムーズに行いましょう

 入社時には配布する資料や回収する資料がいろいろあります。初回研修時に持ってきて欲しいものは一覧にしておき、書面やメール・LINEでお伝えしましょう。この時に新人アルバイトのLINEを教えてもらい、職場のグループLINEにも追加して歓迎しましょう。先輩アルバイトにも協力してもらい、グループLINE上でも歓迎ムードを盛り上げましょう。

​アルバイト採用コンサルのポイント❹「研修」​

❶研修動画を用意しましょう

 採用担当者や店長が研修をすることが多いと思いますが、他の仕事もある中、つきっきりで研修をするのは大変です。他の仕事をしながら研修をすると、研修がおざなりになってしまい、新人アルバイトにも不信感を与えてしまいます。そこで、研修用の動画を事前に作成しておき、それを見せるだけで研修が完結するようにしておきましょう。

 最近はスマホとパソコンさえあれば動画の撮影と編集ができます。Youtuberのように凝った動画を作る必要はありません。出勤から退勤までの流れ、仕事内容などを理解できれば十分です。例えば私が作った学習塾の研修動画では、出勤時のタイムカードの押し方、授業準備のやり方、授業のやり方、報告書の記入方法、上司への報告方法、成績のあげ方、退勤時にやることなどを含めていました。

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❷褒めるポイントを作りましょう

 研修は座学だけでなく、簡単な筆記テストやロールプレイなども含めると良いでしょう。例えば私の場合は、研修動画の内容を穴埋め選択式で筆記テストにしていました。また、ロールプレイとして模擬授業をしてもらっていました。これらは研修の理解度を確かめる機会になりますし、褒める機会にもなります。新人アルバイトは「自分にできるかな」と不安を抱えています。ロールプレイである程度できていれば、よく褒めて自信をつけさせてあげましょう。

❸最初から完璧を求めない

 中には最初から上手にできる人もいますが、そういう人はほんの数%です。ほとんどの人は最初はうまくできません。そういうものです。採用担当者や店長の立場からすると、「この状態でお客さんの前に出してしまって大丈夫だろうか…」と心配になるかもしれません。しかし、それではいつまで立っても先に進みません。御社での最低限の基準をクリアしていれば、あとは実践で育てましょう。いつまでも研修ばかりでは新人アルバイトもやりがいを感じられません。

​❹研修にも給与を支払いましょう

 研修は無給で行っている会社もあるかもしれませんが、会社が指示して行わせている以上、研修にも給与を支払う必要があります。給与を支払うからこそ、新人アルバイトに「研修には給与を支払うので仕事としてしっかり習得してくださいね。」と言うことができます​。また、研修に給与を払った方が、新人アルバイトも安心して勤務できるでしょう。

​アルバイト採用コンサルのポイント❺「​勤務初日」​

アルバイト採用コンサル

 研修が終わったらいよいよ勤務初日です。新人アルバイトにとっては緊張と不安を最も感じる日です。よって、採用担当者や店長はしっかりサポートする必要があります。「研修が終わったんだからもう1人でできるだろう」などと思ってはいけません。

❶しっかり準備させましょう

 もし準備が必要な業種であれば、早めに出勤させて必要な指示を与えましょう。学習塾の場合は授業準備がけっこう大切なので、初回勤務の時は30分の準備時間を設けていました。もちろん有給です。しっかり準備をして良い仕事をできれば、新人アルバイトはやりがいを味わうことができます。「準備不足→ミス発生→上司に指導される→モチベーションダウン」という流れではなく、「しっかり準備→上手に仕事をできる→上司に褒められる→モチベーションアップ」という流れを目指しましょう。アルバイトはただ「お金」を得るためだけに働いているのではありません。「やりがい」や「成長」も求めています。そうした要素を提供できる職場は長続きします。

❷無理のない時間と仕事量にしましょう

 人手不足企業で新人アルバイトを採用すると、「すぐにたくさん仕事に入ってもらおう!」と思ってしまうかもしれません。しかし、いきなりたくさんタスクを課してしまうと新人アルバイトは潰れてしまいます。運動をするときにまずはウォーミングアップをするのと同様に、仕事でも徐々に体と気持ちを慣らせていくことが大切です。どのくらいの時間働きたいのか、どのくらいの給与を稼ぎたいのかなどの希望を考慮しつつ、時間と仕事量をコントロールする必要があります。

 例えば、フリーターであれば生活がかかっているので早くたくさん仕事を入れる方が良いかもしれません。一方、初めてアルバイトをするような大学生・高校生の場合は、仕事をすることの大変さをイメージできていないかもしれません。そういう人たちの場合は、徐々に仕事に慣れてもらった方が良いかもしれません。この場合は「あなたの育成計画はこんなふうに考えている」というイメージを共有することも大切です。「思ったほど稼げなかった」というギャップによる退職を防ぐためです。

​❸できたことを褒めましょう

 新人アルバイトは「これでいいのかな…」と不安を抱きながら初めての仕事をこなしています。​そこでミスを指摘されたり叱責されたりしたら、きっと自信喪失してしまうでしょう。よって、初勤務の後はできたことを見つけてよく褒め、自信をつけさせてあげることが大切です。最初のうち、指摘することは1つだけで十分です。指摘する時も「これができていなかった」という声掛けではなく、「次はこういうふうにできるともっといいですね」と未来志向でポジティブな指摘をすると、新人アルバイトも気持ちよく働けます。さらに上のことを求める時は「○○さんならもっとハイレベルなことができると思うので、次は〜をお願いします。」と期待を込めて指導をすると良いでしょう。

​アルバイト採用コンサルのポイントまとめ​

  1. 【募集】求人の費用対効果を見える化しましょう​。いろいろな媒体に広く浅く求人を出しましょう。アルバイトの紹介制度を作りましょう。大学に求人票を掲載、大学近くのアパートにポスティング、大学のサークルとコラボも有効な手段です。

  2. 【初期対応】すぐに電話をしましょう。すぐに面接日程を組みましょう​。電話をできないとき、電話に出ない時はメールをしましょう

  3. 【面接】口説き落とす面接をしましょう。その場ですぐに採用を伝えましょう。すぐに研修日程を組みましょう。他の従業員に紹介しましょう​。入社時書類の配布と回収をスムーズに行いましょう

  4. 【研修】研修動画を用意しましょう。褒めるポイントを作りましょう。最初から完璧を求めないようにしましょう​。研修にも給与を支払いましょう。

  5. 【勤務初日】しっかり準備させましょう。無理のない時間と仕事量にしましょう​。できたことを褒めましょう

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 ここまで人手不足企業におけるアルバイト採用コンサルを行ってきましたが、いかがだったでしょうか?私も人事時代には人手不足にかなり悩まされました。社長から「1ヶ月で50人採用しろ」と言われた時には万事休すかと思いましたが、いろいろと手を尽くすことで何とか採用することができました。ここではその経験を余すところなく共有させていただきました。この記事が、人手不足に悩んでいる企業の社長さんや人事担当者さんの助けになれば幸いです。

 しかし、実際には人手不足の原因と対策はそれぞれの会社で異なります。当事務所と顧問契約を締結していただければ、御社にあったアルバイト採用コンサルをさせていただきます。まずはお気軽にお問い合わせください。共に人手不足を解決していきましょう。

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